2021年 6月12日・13日―学習内容
スピリチュアリズムの思想体系[Ⅰ] 人生観 その1
学習のポイント ―――
霊魂説に基づく人生観 ―― モノやお金、地位や名声は、死とともに消滅する
今回から、スピリチュアリズムの思想体系[Ⅰ]の中の「人生観」を学んでいきます。 一般の人は、「人生」というと、「地上人生」のことだけを考えます。しかし、スピリチュアリズムでは、人間は、地上限りで終わるのではない、死後も霊界で生き続ける、と説いています。これから学んでいく「人生観」は、スピリチュアリズムで示された霊的事実に基づいたものです。永遠に続く霊的人生から地上人生を眺めたときの見解、ということです。
今回は、スピリチュアリズム初期の人生観に焦点を絞って学習を進めていきました。スピリチュアリズム初期というのは、スピリチュアリズムが地上で展開を始めてから、『シルバーバーチの霊訓』が登場するまでの時代です。
スピリチュアリズム初期の人生観を一言で言うと、「霊魂説に基づく人生観」ということになります。これは、シルバーバーチの人生観の基礎となるものです。
スピリチュアリズム初期には、多くの心霊現象が起こされ、それを科学者が研究・検証するという心霊研究が行われました。そして、心霊研究を通して霊魂説(霊魂は存在する)の正当性が証明されました。こうした一連の出来事はすべて、霊界の計画のもとで行われたことです。
従来の宗教でも、霊魂や死後の世界について説かれてきましたが、それは、「信じるか信じないか」という「信仰」の問題でした。それに対してスピリチュアリズムは、霊魂や死後の世界について、「実際に存在するのか、存在しないのか」という「事実」の問題として明らかにしたのです。スピリチュアリズム初期の心霊研究による「霊魂説の証明」は、地上人類にとって、画期的な出来事だったのです。
スピリチュアリズム初期に、霊魂説に基づいて示された人生観は、次の3つにまとめることができます。
①人生は、死によって終わるのではない、死後も人生は続いていく
②モノやお金、地位や名声は、死とともにすべて消滅する
③物質的な利益の追求だけに人生を費やす人は、霊界では幸福になれない
ほとんどの人は、「人生は、地上かぎりである」「人生で一番大切なものは、モノやお金である」「モノやお金があれば、幸せな人生を過ごすことができる」と思っています。一般の人は、こうした考え方のもとで人生を歩んでいきます。しかしそれは、霊的事実に基づかない、間違った人生観です。
スピリチュアリズムを知った私たちは、霊魂説という霊的事実に基づいて、人生を歩んでいかなければなりません。皆さんは、先ほどの3つの内容をしっかり実感しているでしょうか?
たとえば、家族や周りの人から、「人間は死ねば終わり。死後の世界などないに決まっている。あなたは間違ったことを信じているだけ」と言われたことはありませんか? そうしたとき皆さんは、確信を持って、「人生は死によって終わるのではない、死後も人生は続いていく」とはっきり答えられなければなりません。相手にどう思われても、自分の信念を主張することができなければならないのです。
そして、モノやお金、地位や名声は、死とともにすべて消滅する、ということを確信しているのでしょうか? 世の中の多くの人は、お金持ちを羨ましいと思っています。お金があれば、一生、苦労することなく、楽しく幸せに暮らせると考えています。しかし、そうではありません。それらは地上かぎりのもので、霊界では一切通用しません。モノやお金という物質的な富より、霊的成長という霊的富を得ることが本当の幸せです。霊的富こそ、地上でも、霊界に行ってからも、人間を幸福にし、喜びに満ち溢れた人生をもたらすことになるのです。
私たちスピリチュアリストは、モノやお金に対して、「生活できれば、それでよし」というところで線を引かなければなりません。お金に翻弄されることなく、「質素な生活」をするということです。余分なお金があれば、それは人助けのために使うべきなのです。
モノやお金にとらわれることなく、清らかでつましい生活をしていく、そして、常に「人のため」という思いで心を満たし、行動していく、それが本物のスピリチュアリストとしての人生であり、人間としての正しい生き方ということなのです。
人々のため、人類のために奉仕することが、最も豊かな人生であることを、身をもって示していきましょう。「無償の奉仕」の中にこそ、真の喜びと幸せがあることを、私たちの生き方を通して、人々に伝えてきましょう。