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2021年 5月22日・23日―学習内容

スピリチュアリズムの思想体系[Ⅰ] 人間観 その2

学習のポイント ――― 「潜在意識」には、自分自身に関するすべての記憶が蓄積されている

前回は、「人間観」の中の人間の構成について学びました。「人間は霊的存在である」、これがシルバーバーチが示した人間の本質です。今回は、人間についてさらに掘り下げ、人間の心・意識について学習しました。

現代科学では、「心」は、脳によってつくり出されるものだと考え、ひたすら研究を進めています。しかし、そうした考え方は根本的に間違っています。「脳」という物質が人間特有の高度な「心」をつくり出しているのではありません。シルバーバーチは、科学では解き明かせない「心」という重要なテーマについて、人類史上、初めて明らかにしました。

私たちが通常、自覚している意識、「心」だと思っているものは、実は、脳を通過してもたらされる「(霊の心から発生する)霊的意識」の一部と、脳から生じる「肉体本能的意識」が合体したものです。これらを「顕在意識」と言います。

私たちは通常、「霊的意識」の一部しか自覚できません。霊的意識の大半は、潜在化した状態、隠れたような状態になっています。そのため、この部分を「潜在意識」と言います。「霊的意識」の大部分は、「潜在意識」になっているのです。







これは、シルバーバーチによって初めて伝えられた画期的な「意識論」です。シルバーバーチは、「地上人は、霊的意識のほんの一部しか自覚していない、霊的意識の大部分は、心の奥に隠されている」という人間にとって驚きの事実を明らかにしたのです。

では、潜在意識の中には、どんなことが隠されているのでしょうか? 潜在意識の中には、地上人生で入手したあらゆる知識や情報、そして、地上人生で行ったすべての行為が蓄積されています。それは、大容量のコンピータに匹敵するほどの記憶能力であり、しかも、その記憶には寸分の狂いもありません。地上人は、「たくさんの知識や情報を得ても、それらの一部しか覚えていない、あとは、忘れてしまった」と思っています。しかし、地上人生で入手した知識や情報、行為は、すべて潜在意識の中に記憶されていきます。

さらに、驚くことに潜在意識の中には、前世に関する情報や睡眠中に入手した情報も蓄えられています。潜在意識は、まさに、前世も含めて、すべての個人情報の貯蔵庫と言えるのです。

地上生活の間は、膨大な記憶のほんの一部しか自覚することができません。しかし、自覚意識は、「死」によって大きく変化することになります。死後、肉体がなくなると、霊的意識のすべてが自覚できるようになります。誰にも知られないようにこっそり行った悪事やウソも、全部、思い出すことになります。しかも、自分が思い出すだけでなく、周りの人々にも、それが、全部分かるようになります。「ずっと隠しておきたい」「忘れてしまいたい」と思ってきたことがすべて、あからさまになり、周りの人に知られてしまうのです。これが「幽界でおこなわれる審判」の実情です。

こうしたことを聞くと、皆さんは、これまで自分が行ってきた失敗や、後悔していることを思い出し、心配になるかもしれません。しかし、そうした心配はいりません。皆さんは、スピリチュアリズムに導かれ、霊的真理を知ることができました。これまでの生き方・考え方をあらため、スピリチュアリズムに忠実に生きていこうと努力するなら、 失敗や後悔していることは、潜在意識の片隅にしまわれ、封印されます。真理にそって生きようとする決心が本物なら、死後、いやな思い出を見せつけられて、苦しむようなことはありません。ひたすら、人々の救いと幸せのために、誠実に歩んでいけば、死後、後悔の念に苛まれることはないです。

シルバーバーチは、次のように述べています。
「地上生活中に行ったことが、すべて、真の自我に刻み込まれています。その行為の価値が魂を豊かにもし、貧しくもします。あなた自らが行ったことが、そういう結果を生んでいくのです。」

(霊的新時代の到来 P37)

皆さんが地上人生で行ったことはすべて、真の自我、すなわち、潜在意識に刻み込まれていきます。皆さんは、地上人生で『シルバーバーチの霊訓』という最高の教えを手にすることができました。それは、皆さんの魂を、何よりも豊かなものにしてくれます。スピリチュアリズム人生を歩む中で得られることは、どんな些細なことも、全部、皆さんの潜在意識の中に記憶されていきます。皆さんが学んだ「霊的真理」は、皆さんの魂にしっかり刻み込まれ、霊界にそのまま持っていくことができます。そして、人のために役に立つ人生を歩もうと努力していることは、確実に、皆さんの魂を成長させていきます。真理にそって地上人生を歩んでいくことは、霊界に最高の宝を積み上げることになるのです。


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