2013年7月21日学習内容

「地上人類への最高の福音」

3章知識はすべて、ためになるのです(P109~P112)

続スピリチュアリズム入門

7章霊性教育について(P240~P254)

学習のポイント――――

シルバーバーチは、私たちがこの地上で価値ある人生を送ることができるように、さまざまな角度から霊的人生の指針を示してくれています。今回は、その中から「子供の教育」について語った箇所を学習しました。これはスピリチュアリズムにおける教育論といえるものです。

書店に行けばたくさんの育児書・教育書が並んでいて、「子供の教育」についての関心の強さが窺えます。しかし、本によって正反対のことが書かれていたり、世代によって考え方が違ったりして、本を読めば読むほど迷ってしまいます。それは多くの教育書が、その時代を反映した物質的な価値観に立った方法論を中心として書かれているためです。

スピリチュアリズムの教育論は、単なる“子育て”の方法を説くのではなく、不変の霊的真理を土台としたものになっています。人間は肉体的要素と霊的要素を持った存在である、という事実に立ち、幼い子供が、肉体的にも霊的にも健全に成長していくことができるように導いていくことを目的としています。特に霊的要素を育てていくことは、子供が“神の子供”として自立し、霊的人生を歩んでいくためには必須の教育と言えます。“子供の魂(霊性)を育てる”―それがスピリチュアリズムの「霊性教育」です。

霊性教育で肝心なことは“子供をどんな人間に育てるのか”という、教育の目的と方向性です。シルバーバーチは次のように言っています。
「意義ある社会の一員として、いかなる事態においても、社会のため、人類のために貢献できる人物に育てるための知識を授けることが、教育の根本義なのです。」(P109)

教育というのは、人生の先輩である親が、何も知らない後輩(子供)に正しい道を示し、正しい行動の仕方を教えることです。親が育てる目的や方向がわからなければ、教育はできません。霊的真理を知っている親なら、人間としてのあるべき姿を明確に理解していますから、我が子ができるだけそれに近づくように導いていくことができるのです。シルバーバーチの言葉にある教育の根本とは「人のために役に立つ人間・利他愛を実践できる人間に育てていく」ということです。これは、神が意図した人間の基本的な生き方であり、これによって人間は霊的成長をなし、幸せに至ることができるのです。

子供の幸せを願わない親は一人もいません。子供には幸せになってほしい、喜びあふれる人生を歩んでほしい、そうした親の願いは、そのまま霊の親である神の願いでもあります。私たちの中には、霊の親としての神の愛が組み込まれており、私たちは神と同じ愛の思いを持って、「神の代理者」として子供を育てていくことになります。

神の代理者としての親が、子供の霊的成長のために与えるものは、次の3つになります。

(『続スピリチュアリズム入門』スピリチュアリズム普及会より)→

①正しい霊的知識

シルバーバーチは「教わったことはそのまま潜在意識に印象づけられ、それがその子のその後の思想を築いてゆく土台となるのです」(P110)と言っています。親としてもっとも重大な義務と責任は、子供に分かりやすい言葉で繰り返し基本的な霊的真理を教えることです。

②正しい愛

我が子をいとおしく思わない親はいません。しかし、かわいいという感情の中には、“子供は自分のもの”という所有観念がともなっていることが多く、それは本当の利他愛とは言えません。子供は「神からの授かりもの」と考えるべきです。我が子に対して、神から一時的に預かった「神の子供」であることを自覚し、子供の霊的成長を一番に願わなければなりません。

③正しい手本を示す

親の生き方は、子供にとって生きた見本となります。親が霊的人生を真摯に歩む姿を見せていくことが、一番の霊性教育になっていきます。たくさんの言葉を語るより、この世の欲に翻弄されることなく、常に人助けを心がける生き方こそが、子供の霊的成長にプラスとなっていきます。

子供を正しい方向に育てていくことは、親としての当然の義務ですが、霊的真理を知らない親にとっては、子供の手を取りながら暗闇の中を手探りで歩くような不安や迷いが常につきまといます。しかし私たちは、幸いにも霊的真理を土台とした最高の教育書を手にして子供を導く立場に立っています。子供の教育を通して、親自身も利他愛の実践の訓練を受け、霊的成長が促されるようになっています。

スピリチュアリズムの教育論は、我が子に限ったことではありません。身近に接する子供たち、仕事などの後輩たち、まだ霊的真理を手にしていない人たちと接するときにも当てはめることができます。私たちは、一歩先を歩むものとして、常に「神の代理者」としての愛を示していく努力をしていなかければなりません。

参加者の感想

霊性教育は、子供の教育ということだけでなく、さまざまな場面に適用できるので、とても参考になりました。特に印象に残ったのは、先回りしすぎることは利己性につながってしまうこと、そして結果よりも努力こそが重要であること、という2点でした。これからも日々、挑戦と失敗の繰り返しだと思いますが、いろいろと学んでいきたいと思いました。

若い頃は今とまったく逆でしたから、物質が豊かであってこそ幸せになれると思い込んでいて、その中で子供を育ててきました。今になってどうしたらいいのだろうか、と思ってしまいました。しかし「親がベストを尽くしたなら、神の目には最高の親として映ることになるのです」という言葉を読んで、少しほっとしました。

霊訓に出会って一番救われた、と感じた内容が、このスピリチュアリズムの霊性教育でした。私の親は、物質的に満たされることが幸せだと思っていました。そうした時代だったと思います。しかし自分がこうして霊的真理を手にして、自分の子供たちや孫たちに、物質中心ではないことを伝えていきたいと思いました。

とても大きなテーマを学びました。「子供には再生者としての大きな一面があります」という言葉と「我が子といえども、神の子供であり、神から与えられた人格を持っていることを忘れてはなりません」という言葉が心に響きました。こうした言葉をしっかりと心に留めて、子供と向き合っていこうと思いました。
そして、子育てに限らず、人間関係にはトラブルがつきもの、という話がありましたが、トラブルがあってもそれをきっかけにして、お互いに成長し合えるようになりたいと思いました。

今、子育ての最中です。子供が一人なので、どうしてもその子に自分の関心がいってしまいます。私がこれほど素晴らしい真理を手にしたので、それをどうしても子供に教えたいと思ってあれこれと言うのですが、子供は全然理解していません。今日、学んだように、いずれ子供自身が真理を学びたくなる時期がくるかもしれない、そして自分の子供でありながら、神の子供あり、カルマを持って生まれてきたということを考えると、私が100%、その子に対して教えていかなくてもいい、ということがわかりました。子供の守護霊や神が守ってくださると思うと、ちょっと肩の荷がおりました。私はただ、子供のよき手本となって生きていかなければ、と思いました。

私は親に対していい感情を持っていませんでした。仕事が忙しくて愛情をかけてもらえませんでした。しかし今になって、そのおかげでこうして真理と出会うことができたと思います。正しい愛のところで、「親が子供を思う気持ちそのものは純粋なもの」とあり、私の親も純粋な愛を持っていてくれたのだと考えると、親への気持ちが少し変わりました。

真理を手にしたときは、子供ももう大きくなっていました。子育て中にこの真理を知っていたらよかったのに…と思いました。しかし、まだ子供が小さいとき、子供の寝顔を見て、「これがかけがえのない幸せなんだ」と感じました。その思いを子供に伝えたいと思い、100人に愛されるより100人を愛する人に育てようと決めました。そのために、まず自分がどんな人も愛せる人になろうと努力しました。それから20年くらい経って、真理に出会いました。今、振り返ってみると、子供のためと思ってやってきたことで、親が成長させてもらったことを実感しています。

ちょうど、人との関係や子供との関係に少し悩んでいたので、とてもタイムリーな学びでした。広い視野で見ることができるようになりました。自分が何をすればいいのかが明確になり、肩の力を抜くことが必要かなと思いました。読書会にこうして参加できて、エネルギーを充電することができました。

これから真理を普及させるためには、大人から大人へというものと、大人から子供へ霊性教育をしていくということが大切だと感じました。私はまだ自分の子供はいませんが、いずれ子供を授かったら、真理を正しく伝え、子供をしっかり支えていくことができるように、これからも努力していきたいと思います。

真理に出会ったことで自分を霊的に成長させる方法を知ったのですが、それだけでなく、周りの人たちも成長できるように導いていくことができることがわかりました。自分がどんな人間になったらいいのかという“目指すべき人間像”が明確になりました。霊的真理に基づいた価値観で何事も対処し、正しい見本をまわりの人に示すことができるようにしたいです。

私も子供がいませんが、霊的に幼い人との接し方ということで考えていました。ここ1年ほど、人間関係で悩んでいました。自分は霊的真理を知っているので、自分が直すべき点や対処の方法はわかっていましたが、苦しいときは自分の苦しみしか見えません。今日、「再生者のカルマ清算に協力する」とあり、トラブルを通じて自分も成長しますが、相手のカルマ清算にも協力する、という課題もあったことに気がつきました。

我が子を有名な大学に入れ、有名な大企業に入れることに躍起になっている親御さんがいるという話がありました。この世がすべてだと思い込んでいる人は、物質的な幸せや豊かさを追求してしまうのは、ある意味仕方のないことだと思います。しかし、現実に霊界は存在しています。この事実を知っているという、たったひとつの違いだけで、人間の生き方が180度、変わります。霊性教育がいかに大切であるか、今日あらためて確認しました。スピリチュアリストにとって霊性教育は、子供に限ったことではありません。真理にそって歩む努力を通して、周りの人に少しでも良い影響を与えられるようになっていきたいと思います。


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