学習のポイント

シルバーバーチの交霊会でたびたび登場するポールは、交霊会に参加していた当時、10代前半の少年だったと思われますが、シルバーバーチとの受け答えは大人に負けないくらい内容の濃いものになっています。今回ポールは「いろんな人が神について説いていますが、これだと得心のいくものが一つもないのです」と言っています。皆さんもこれまで、ポールと同じようなことを考えてきたのではないでしょうか? ポールばかりでなく世界中の人々が「神について正しく知りたい」と思っています。人類にとってそれは最も重要なテーマであるにもかかわらず、いまだに世界共通の認識が確立さていないのです。

ポールの発言に対するシルバーバーチの答えには、これまでの人類の神観の変遷が見事に表現されています。神観の変遷は、人類が地上で生活を始めた太古から出発します。太古において人間は、自然現象を神様の仕業だと思っていました。大雨が降る、雷が鳴る、月食や日食など、現代では気象や天体の動きとされているものも神様が怒っていると考えてきました。人々は、神様は感情を持っていて、人間を大きくしたような存在であり、たくさんの神様がいると考えてきました。

今から3000から4000年ほど前に、ユダヤ教が生まれました。ユダヤ教は、ヤハウェを唯一の神とする宗教です。私たちが手にしている霊的真理に照らしたとき、神は、唯一の存在ですから、それまで多くの神を崇めてきた多神教の神観から、神を唯一と考える一神教の発生は、大きな進展と言えます。その後、イエスが登場し、キリスト教が起こされます。イエスは「愛の神」という、人類史上、画期的な神観を説きました。しかしイエスの説いた神観は、キリスト教の教義の中で大きく捻じ曲げられ、何世紀もの間、間違った神観を人々に押し付けることになってしまいました。

神観の変遷を見ていくとき、次のように、大きな転換点が3つあります。

①一つ目は、自然を神格化してたくさんの神を崇めていた時代から、ユダヤ教によって初めて唯一の神を信仰するようになったという点です。これは、多神教から唯一の神という霊的事実に一歩近づいたと言えます。

②次の転換点は、ユダヤ教からキリスト教への移行です。ユダヤ教の神ヤハウェは、「裁きと恐れの神」でした。ユダヤ教には、たくさんの戒律があります。旧約聖書には、戒律を破ったことで神が怒って町を滅ぼしたり、人間の悪を一掃するために洪水を起こしたり、といった裁きと恐れの神の姿が各所に記されています。イエスは、戒律を重視し戒律を守らなければ救われない、というユダヤ教の間違いを正すために「愛と慈しみの神」を説きました。新約聖書には「神は愛なり」とありますが、イエスによって初めて「愛の神」が説かれたのです。

③そして現在、大きな神観の改革が進められています。それがスピリチュアリズムによって伝えられた「摂理と愛の神」です。イエスは、地上人類に正しい霊的真理を伝え、人類を救うという使命を持って、地上に誕生しましたが、その使命を最後まで果たすことができませんでした。イエスの死後、イエスの教えは、人間の手によって変えられてしまいました。高級霊たちは、間違った宗教、間違った神観を一掃し、地上人に正しい神の姿を知らせるために、スピリチュアリズムを起こしたのです。イエスは「霊的真理普及」のために霊界で指揮を取り、スピリチュアリズム運動を推進してきました。イエスが地上を去ってから今日まで、霊界ではずっと地上人に対する導きが続いています。そして今後も、霊的知識と正しい神観への理解がすべての地上人に行き渡るまで、続いていくのです。

私たちスピリチュアリストは、神観の変遷を霊的観点から見ていくことができます。それは、一般の人々のように単なる歴史の流れと見るのではなく、霊界からの導きの足跡・人類救済への軌跡を追っていく、ということに他なりません。人類は自分たちの力だけで進化してきたのではありません。文明の進展と人類の霊性向上の背後には、何千年もの長い間続いている霊界からの導きがあるのです。高級霊たちは「霊的真理を知り、正しい神の姿を理解してほしい、そして霊的成長の道を歩んでほしい」と願って人類を導き続けています。私たちは、高級霊たちの深い愛の思いに心から感謝し、未来の人々の幸せために霊界の道具となって働いていきましょう。

参加者の感想

霊訓やニューズレターを読んでいると霊的エネルギーが魂に注がれ、感謝の思いで胸がいっぱいになります。シルバーバーチたちが命がけで降ろしてくれた霊的真理に救われた以上、いただいた愛のお返しとして地上人生をスピリチュアリズムのために捧げたいと思います。私の生き方を通して周囲の人たちにスピリチュアリズムを伝えることができたら、と祈っています。真理を大切にし、守り抜いていきたいと思います。

スピリチュアリズムに出会って一番よかったことの一つに、自分の中で神観がしっかりしたということです。日本にはたくさんの宗教があって熱心な信者は自分の神様が一番だと思ってお祈りしています。外から見ればそれは少しおかしな状況ではないか、と思っていました。そして一般の宗教は困ったときに一生懸命祈りますが、スピリチュアリズムでは苦しみは避けるものではなく、いいことだと言っています。その真理を知ったことは、本当にありがたいことだと思っています。

霊性、知性、環境が揃って初めてスピリチュアリズムが地上に降ろされたという長い歴史を学びました。霊界ではたいへんな苦労をして導きがなされていたことを知りました。私は将来必ず道具になりたいと思っていますので、今は、問題が起こったときも一つ一つを乗り越える勉強をしていると思って日々、頑張っています。

ニューズレターを読んで、自分の中でまだ伝道の準備ができていないことを感じました。それと同時に、「何をしたらいいのか」がニューズレターに明確に書いてあると思いました。自分ひとりで読んでいるとなかなか理解できませんが、こうした場に参加させていただくことで「頑張ろう」という気持ちになります。未熟なために、こうした場を与えていただいて修正をする、そしてまた頑張る、ということができるので、読書会に参加できるようになってよかったです。

これまでの何千年にもわたる霊界からの導きによって人類が霊的成長をなし、その結果スピリチュアリズムが普及するようになりました。ここに至るためには霊界の多くの苦労があったことを思うと、強い感謝と感動の念を持ちました。この時代に生まれ、スピリチュアリズムに出会えたことに感謝し、もっとスピリチュアリズムが広く普及するように、霊界のよき道具となれるよう努力していきたいと思います。今はまだよき道具になるための「霊的新生」の時であると認識しています。

スピリチュアリズムによって、神が摂理と愛の存在であることを知りました。神は法則を造られ、その法則によってすべてを支配していることを知り、この世界はあやふやなものではなく、とても安定している世界であることがわかり、安心したことを思い出しました。一人でも多くの人が真理を知り、正しい神観を持ってもらいたいと思いました。

医療のことについてですが、現代医療に異論を唱える人が最近たくさん出てきて、少しずつ変わりつつあるのではないかと感じています。自分もそうした中で道具として協力できればと思っています。神観について霊的視点から見ていくと、一本スジが通っているように感じました。それが霊界の導きだと思い、感動し得心しました。そうしたことを理解できたことに感謝しています。

神観についての流れが整理できてよくわかりました。今日学んだ中で「真理のレベルを下げて一般受けするようにするのは間違い」とありましたが、その言葉は自分へのメッセージだと思いました。もう一度初心に戻って、自分がどうすれば一番いい道具になれるかを考え直したいと思います。

スピリチュアリストは、信仰と忍耐力が試されます。それゆえ苦しいこともありますが、私が支えとしてきたシルバーバーチの言葉がニューズレターの中にありました。それは「たった一人でもいいのです」。これは、シルバーバーチがスピリチュアリストを励ましてくれている言葉です。スピリチュアリズムのために貢献するには、誠意と努力と忍耐が必要です。思えばこの言葉にずいぶん励まされてきました。これからも、この言葉を忘れずに霊界の道具として働けるよう、努力していきたいと思います。

今日は神観の変遷について学びました。人類の長い歴史の中でようやく今スピリチュアリズムによって、初めて“正しい神観”が明らかにされました。これが突破口となり、正しい神観が着実に広がり、根付いていくものと信じています。神も、そのことをお喜びになっていらっしゃるのかな、と思うととても嬉しいです。親である神に一歩でも近づけるようになりたい、また少しでも親孝行ができるようにがんばりたい、という思いを高めることができました。


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