.

2017年10月15日学習内容

スピリチュアリズムの思想体系[Ⅰ] 「死後世界観」その4  さまざまな死後世界観

学習のポイント ――― 人類史上、最高次元の死後世界観は、シルバーバーチによってもたらされた

今回は、これまで地上では死後の世界をどのように説いてきたのかを学習しました。私たちは今、『シルバーバーチの霊訓』によって、死後の世界についての真実を知ることができましたが、それは、人類史上、初めてのことです。シルバーバーチの死後世界観(他界観)に至るまでの流れを見ていくことで、シルバーバーチが語ってくれた他界観が、他の他界観とは次元が違う画期的なものであることを実感することができます。

これまでの地上世界において、ポイントとなる他界観は、キリスト教、スウェーデンボルグ、マイヤースの他界観です。それぞれの他界観の特徴を簡単に見ていきます。

まず、キリスト教の他界観の特徴です。これはイスラム教の他界観とほぼ同じものです。
◆キリスト教の他界観のポイント
・死後、人間は、神が支配する「天国」か、サタンが支配する「地獄」に行くことになる
( これを二分的他界観と言う )
・キリスト教徒だけが「天国」に行くことができる(異教徒は「地獄」)
・最後の審判のあと、「天国」に行った人は、永遠に幸福に暮らすが、「地獄」へ行った人は、永遠に苦しみを味わうことになる
・死後の世界には「地獄」があり、サタンが支配している

キリスト教に見られるような二分的他界観は、世界で最もオーソドックスな他界観で、現代でも多くの地上人が「天国」か「地獄」かといった考え方をしています。

キリスト教的な他界観を覆す「他界観の革命」を興したのが17世紀に活躍したスウェーデンボルグです。彼は、28年もの間、幽体離脱をして、死後の世界の様子を詳しく記述しました。彼が示した他界観には、まだキリスト教の影響が見られますが、キリスト教の根幹を否定する内容が示されています。それが以下の2点です。
◆スウェーデンボルグの他界観とキリスト教の他界観の大きな違い
・キリスト教:神に敵対する存在としてサタンがいるとしている
 スウェーデンボルグ:サタンを否定(地獄はあるが、サタンはいない)
・キリスト教:キリスト教徒(イエスを信じること)によって天国に行ける
スウェーデンボルグ:キリスト教徒であっても、天国に行けるとはかぎらない。天国へ行くか地獄へ行くかは、イエスが審判するのではなく、各自の霊性によって自ら選ぶ

スウェーデンボルグの他界観は、シルバーバーチの他界観から見ると、真実とは言えない内容が多く含まれています。しかし、スピリチュアリズムの先陣としての道を切り開くという使命を果たしました。

スピリチュアリズムが地上で展開を始めてから半世紀以上経ったとき、生前、スピリチュアリストだったマイヤースが、死後、霊界から通信を送ってきました。マイヤース霊から送られてきたこれまでとは全く違う他界観のポイントは以下です。
◆マイヤースの他界観のポイント
・死後の世界は界層に分かれているが、階層間の境界はない
・地獄という独立した世界は存在しない
・死後は、進化・向上のプロセスをたどる
・再生を認める(類魂による再生論)
この中で最も画期的な内容は、「類魂による再生論」です。マイヤースによって初めて、「類魂」の事実が明らかにされ、「再生」の真相解明が一気に進められることになりました。

このように長い歴史を経て、やっと人類に『シルバーバーチの霊訓』という最高レベルの霊界通信がもたらされました。霊界からの継続した働きかけによって、徐々に死後の世界の真実が明らかにされ、最終的にシルバーバーチによって、真の他界観が地上に確立することになりました。
◆シルバーバーチの他界観のポイント
・霊界は、無数の界層に分かれている
・幽界での霊的純化を経て、霊界での生活が始まる
・霊界では霊的グループとして生活する
・再生によって、霊的グループの共同成長がなされる

シルバーバーチの他界観は、スピリチュアリズムによってもたらされた最高次元のものです。これから何百年後には、シルバーバーチの他界観が地上の常識となっていきます。しかし、今はまだ、「死後の世界」の真実について知っているのは、ほんの一握りのスピリチュアリストしかいません。私たちは、「死後の世界」について真っ先に知った者として、霊界の素晴らしさを具体的に伝えていく立場に立っているのです。

参加者の感想

人類は、長い歴史の中でさまざまな他界観を持って地上生活を送ってきました。キリスト教の二分的他界観からシルバーバーチの他界観にたどり着くまで本当に長く、紆余曲折ありました。その過程は私たちには想像もできないものであり、そこには霊界の導きがあったことを感じました。『シルバーバーチの霊訓』という最高の教えを手にした私たちは、霊界からの導きを水の泡にすることがないよう、霊的真理を広めることが求められています。これからの地上人生に責任を持って、与えられた使命を全うできるよう、霊界の指導のもと、努力していきたいと思います。

若かった頃、ある人の「死」をきっかけにスウェーデンボルグ、神智学などの本を読み、その中の一冊がシルバーバーチでした。そのときは、すべてごちゃまぜで、ただ「死後の世界がある」という思いだけが大きく残りました。今日の学びで、過去の点と点が細くとも1本の線でつながりました。霊界からのゆっくりとした、しかし確実な導きの中で今の地上があります。この雄大な流れをしっかりと感じ、日常生活に活かしてまいります。

今日は、自分一人では勉強できない内容を学ぶことができました。最初に感じたのは、自分が『シルバーバーチの霊訓』に出会っているので、気持ちに余裕を持って聞くことができました。2000年の歴史をたどってみて、シルバーバーチの言葉には大きな愛と魂が納得するだけの確信があると思いました。これまでの宗教とシルバーバーチの大きな違いがよく分かりました。今、この地上にいる間に、一人でも多くの人に伝えていかなければなりません。霊界の道具として生きていくことをあらためて決意しました。

私たちはシルバーバーチが説く他界観が当たり前になっていますが、世間では、まだ大半の人が間違った他界観を持っていることを実感しました。シルバーバーチの他界観までの壮大なプロセスをひも解くことで、今、この時代に地上人生を歩んでいる私たちは本物に導かれたことを感じ、感謝の思いでいっぱいになりました。先駆者の方々の献身的な愛を引き継ぎ、世の中のお役に立てるよう努力していきます。

地上人が自分たちの利益や権力を守るためにつくり出してしまった間違った他界観を学ぶことは、たいへん心が痛い思いでした。たった一人の洗脳を解くだけでも、相当な時間が必要です。それが地球規模となったら…と思うと、これまでの人類の行いを非常に残念に思います。地上人生は短いです。人工的な教義に時間をかけるべきではないことがよく分かりました。『シルバーバーチの霊訓』を通して、霊的真理を正しく学び、時期のきた人には分け隔てなく伝えていく、という仕事を地道に行っていこうと思いました。

地上に宗教が誕生してからの他界観の変遷を学ぶことで、人類の霊的成長の歩みや霊界からの順序だった教えの流れを確認することができました。霊界では、人類の霊的進化のために綿密な計画が立てられ、人類の成長レベルに見合った他界観や霊的知識を知らせてくれていることが理解できました。私は、人類史上、最高のシルバーバーチの教えに導かれ、本当に幸せであることをあらためて実感できました。さらに多くの人たちが、シルバーバーチに導かれるよう、自分は伝道の道を歩んでいくために努力していこうと思いました。

キリスト教からシルバーバーチまでの長い時間、霊界からの働きかけがあったことを学びました。すでに宗教の信者になっている人たちは、間違った他界観に洗脳され、それが霊的成長の足かせとなっています。シルバーバーチに出会えた私は、本当に恵まれています。地上時代に霊的真理を知り、霊的成長の道を歩んでいくことができるからです。一人でも多くの人に、地上にいる間に真実の他界観を知ってほしいと思います。

時間の経過とともに間違った方向へ進んでしまったイエスの説いた霊的真理を、何とか正しいものに近づけようと、霊界がずっと働きかけてくれていたことを実感しました。『シルバーバーチの霊訓』は、ダンテからスウェーデンボルグ、マイヤースと繰り返されてきた霊的ルネッサンスの集大成であることも感じました。正しい死後世界観を知ることは、正しい地上人生を送ることにつながります。一人でも多くの人がその道を進めるように、真理普及の努力を日々心掛けていきたいと思いました。

私たちは、スピリチュアリズムの霊的真理を学んでいるため、他界観についても真実を知っています。しかし、既成宗教の中には自分たちの宗教に入れば天国へ行けるといった、あまりにも幼い内容を説いているところもあります。宗教も時代とともに少しずつ進化向上し、私たち人間も少しずつ成長しています。それは、霊界からの絶え間ない導きがあったからです。『シルバーバーチの霊訓』という最高の霊的真理と出会い、地上人生を霊的視野を持って歩める恩恵を、しみじみと感じました。


TOP↑