2016年11月20日―学習内容
スピリチュアリズムの思想体系[Ⅰ] 「死生観」
学習のポイント――シルバーバーチの画期的な「死生観
――死は、喜び・希望・地上人生を終えたことへのご褒美
今回は、従来の宗教の「死生観」を概観し、スピリチュアリズムによってもたらされた「死生観」、さらにはシルバーバーチによって示された画期的な「死生観」について学習しました。
人間にとって「死」は、宿命と言うべきものです。宿命ということは、100%起きるということであり、誰もが避けられない出来事です。人間は必ず「死」を迎えます。その事実を前にして、人類は「死」を最大の恐怖と感じてきました。また、愛する人との死別は最大の悲劇・不幸・悲しみだったのです。、人類は「死」の恐怖から逃れるために、宗教に救いを求めてきました。宗教は、死の恐怖に対する救済手段として存在し続けてきたのです。
従来の宗教の「死生観」は、「人間は死後も霊魂として存在する」「死後の世界・あの世はある」というものです。しかし、「霊魂」とは具体的にどのようなものかは明確にされていません。また、「あの世」も、天国と地獄、明るい世界と暗い世界と言った程度です。
「死後も人間は、霊魂としてあの世で存在する」という漠然とした教えは、科学的思考を持った現代人には全く説得力がありません。、現代人の多くは、宗教が説く死後の世界は単なる迷信や作り話だと決めつけています。従来の宗教の「死生観」は、現代人の理性を納得させることができないのです。
そうした状況の中で、19世紀の半ばにスピリチュアリズムが登場しました。スピリチュアリズムは心霊現象を科学者に徹底して検証させ、死の問題を霊的事実に基づく新しい霊的思想として示しました。従来の宗教では、「霊魂」や「死後の世界」は信じるか信じないかという信仰の問題でした。しかしスピリチュアリズムでは、客観的事実として死の問題への回答を示したのです。それによって、人類史上初めて、死の事実の解明がなされることになりました。それまで宗教ごとに違っていた「死生観」を、人類共通の「死生観」として確立したのです。
スピリチュアリズムによって明らかにされた死生観のポイントは、以下の3つです。
①死の定義……「死」とは、肉体と霊体を結んでいたシルバーバーチが切れるとき
②死後の人間の状態……死後、人間は霊体という新しい身体をまとって存在する
③死後の住処……死後、人間は霊界に住み、そこで永遠の人生を歩むことになる
こうした明瞭で客観的な「死生観」によって、これまでとは全く違う「死」についての考え方がもたらされることになりました。死後、人間は生き続ける以上、人間は「死」を恐れる必要はありません。そして、愛する人とも必ず会えるので死別を悲しむ必要もありません。これによって人類は、安心と救い、慰めを得ることになったのです。
スピリチュアリズムによって、人類の「死生観」は根本から変わることになりました。つまり、「死生観」の革命、大転換がなされたのです。そして、さらにシルバーバーチは、スピリチュアリズムの「死生観」の集大成として、人類史上、最高の次元の「死生観」を示したのです。
シルバーバーチは、「死」は喜び・希望であり、地上人生に対するご褒美と言っています。これまでの宗教は、恐怖・悲劇・不幸・悲しみでした。シルバーバーチによって、従来の考え方と180度違う「死生観」が、人類に明らかにされたのです。 「死生観」のポイントを以下にまとめました。
●従来の宗教………………死は恐怖
↓死別は悲しみ
●スピリチュアリズム……死を恐れる必要はない(安心・救い)
↓死別を悲しむ必要はない(慰め)
●シルバーバーチ…………死は喜び・希望・ご褒美
死別は祝福すべきこと
私たちスピリチュアリストは、シルバーバーチの画期的な「死生観」をいち早く手にすることができました。「死」についての正しい見解を示すことができるのは、私たちスピリチュアリストしかいません。私たちは、人々を「死」の恐怖から救うために、一人でも多くの人に霊的事実としての「死生観」を伝えていく立場にあるのです。
参加者の感想
どの宗教もあいまいにしてきた「死」の問題について、スピリチュアリズムがはっきりと答えを示したことを実感することができました。「死」が恐怖から喜びに変わることが、地上人生の中でどれほどの救いをもたらすかをあらためて感じました。「死」についての正しい理解を深め、それを人に伝える役目を果たしていけるよう、いっそう努力していきたいと思います。
「死」について考えていく中で、何が正しくて何が間違っているのかを理解していくことが、私たちスピリチュアリストにとって、とても重要なことだと思いました。人類が「死」について共通の認識を持てるようになれば、素晴らしいことです。「死」についての真実が分かれば、地上で生きることや苦しみの意味も理解できるようになります。
私は、スピリチュアリズムのおかげで正しい「死生観」を知り、それが当たり前になっていました。今日の学習で、スピリチュアリズムと出会う前の自分の考え方を思い出しました。真理に出会う前、「死」が怖いものだとは思いませんでした。それは死後の世界を信じていたからではなく、生きていることに価値を見いだせず、投げやりな気持ちがいつもあったからです。スピリチュアリズムと出会い、地上人生の意味を知り、生きる価値があることを心の底から感じることができるようになりました。これからの人生で、スピリチュアリストとしての役割をしっかり果たしていきたいと思いました。
「死生観」だけに絞って学習したことで、従来の宗教、スピリチュアリズムの死生観、シルバーバーチの死生観の違いがよく分かりました。シルバーバーチによってもたらされた人類史上、最高の死生観を知ることができたことで、私たちは「死」の恐怖に怯えることはなくなりました。今は、これまで以上に霊界へのあこがれが増し、地上での自己克己の努力に意欲が増してきました。
今日の死生観を学んで、延命治療に関する内容を取り上げたドキュメンタリー番組を思い出しました。印象的だったのは、延命治療を選んだ遺族も選ばなかった遺族も、どちらも同じように自分たちが下した判断が本当に良かったのかどうかで、ずっと悩み、苦しんでいることです。
「死」に対する正しい知識を持っていれば苦しむこともないのに、と思わずにはいられませんでした。霊的真理を手にしているおかげで、私たちの考え方は一般の人たちとは大きく違うものになっていることをあらためて実感しました。不要な苦しみから一刻も早く解放されるためには、真理の普及しかありません。私たちスピリチュアリストが頑張らなければいけない、と決意をあらたあにしました。