学習のポイント

皆さんは「人間とは、いったいどのような存在なのだろうか」という疑問を持ったことがあるのではないでしょうか。私たちは、自分自身のことについて、わかっているようで実は、何も知りません。これまで宗教や思想では、その問いに対してさまざまな見解を示してきました。「人間は肉体だけで成り立っている」と考える人もいますが、多くの人は「人間は心と肉体を持った存在である」と思っています。では「心とは何か」「心と肉体の関係は?」と問い詰めたとき、人々を得心させる明確な答えを示すことができる人はほとんどいません。

シルバーバーチは、長い間人々が抱いてきた疑問を次のような一言で解き明かしています。
「人間は生まれる前も、今も、そしてこれからもずっと霊です。」(P151)

人間は霊的存在者である―これが人間の本質です。従来の宗教や思想は、物質次元・地上的視点から人間について考えてきましたが、シルバーバーチは、霊的視点から答えを示しています。シルバーバーチが示した人間についての考え方(人間観)は、“霊的人間観”ということができます。それは次の4つのポイントにまとめることができます。

(*詳しくは、スピリチュアリズム普及会『シルバーバーチの霊訓』の画期的な通信内容 

〔2〕『シルバーバーチの霊訓』の画期的な人間観 参照)

(1)人間の本質は“霊”である

(2)人間は霊的要素(霊・霊の心・霊体)と肉的要素(肉体・肉体本能)から構成されている

(3)人間の内面葛藤(霊肉の闘い)とは、霊的意識と肉的意識との対立のことである

(4)人間は、“霊の心”から発する霊的意識と、“脳”から発する肉体本能的意識を一つの心として認識する

人間にとって一番の本質は“霊”であり、この“霊”を最も重要視した人間観がシルバーバーチが説く“霊的人間観”です。一般の人々でも“霊”の存在を認める人もいますが、“霊”を“肉体”の付属物と位置づけます。肉体をメインにして、Body with Spirit(霊を携えた肉体)と考えます。しかしシルバーバーチは“霊”をメインにして、Spirit with Body(肉体を携えた霊)と考え、これまでの常識を逆転させています。

さらにこれまで曖昧にされてきた“霊”についても、具体的に説明しています。シルバーバーチは、人間は大霊(神)から付与された“分霊”を内奥に存在させていると説きます。大霊は人間を創造する際に自らを分化させました。大霊から分け与えられた霊こそが人間の本質です。シルバーバーチは次のように述べています。

「あなた方お一人お一人がミニチュアの神なのです。お一人お一人の中に神という完全性の火花、全生命のエッセンスである大霊の一部を宿しているということです。その火花を宿しているから存在できるのです。」(P165)

人間が大霊(神)の分霊であるということは、私たちの心の内には“ミニチュアの神”が存在するということです。そして、いったん神から分化し独立した存在となった人間は、永遠に個別性を持って進化し続けることになります。今、地上で生きている私たちは、これから永遠に霊的成長の道を歩み続ける、ということです。

これらの霊的事実は、シルバーバーチによって人類に初めて解き明かされたものです。これまで人間の本質を探し求めて一生を終えていった多くの宗教者や思想家がいることを思うと、『シルバーバーチの霊訓』に出会うことができた私たちは、本当に幸運としか言えません。“人間は霊的存在者として永遠に進化し続ける”という深遠な霊的真理を手にした私たちは、計り知れない貴重な宝を手にした、ということです。

参加者の感想

「人間とはどんな存在なのか」をシルバーバーチの霊的視点から学習し、あらためて霊訓の奥深さを確認できました。人間の神秘的な美しい側面を知ることで、自然に他者への利他愛の思いがわいてきました。いつもこうしたことを忘れず、仕事や家庭の中で人のために役に立つ努力をしていきたいと思います。

今日の学習の中で、「霊の心」と「肉の心」というものが明確になりました。「人は肉体を持った霊である」とか「霊と肉の闘い」については、これまでの宗教では明らかにされてこなかった内容だということを、あらためて感じました。人に説明するという観点を持つことで、自分自身が勉強になることもわかりました。

前回の大霊についてと今回の人間観、ともに奥が深く、シルバーバーチが初めて明らかにした真理ということで、本当に勉強になりました。特に今日、心に残ったことは、氷山の一角しか顕現していない霊的意識の分量を大きくしていく努力が必要だ、ということです。肉体本能的意識は、肉体を維持していくための最小限で十分ですから、霊的意識を大きくしていくことの大切さを学びました。ちょうど子供に死後も個性を持ち続ける、という話をしたばかりです。正しい知識を伝えることはうれしいことです。今後も、より深く広く真理を学んでいこうという気持ちになりました。

今日学んだところは霊的真理の基本で、私にとって当然のことになっている内容でした。しかし、あらためて学習してみると、革命的とも言える内容だと思いました。これからも永遠に進化し続けることを考えると、目標がずっとあることがうれしいという気持ちと、努力し続けなければならない大変さを考えてしまいます。しかし、今この地上で霊的成長のための機会を神様から与えられていることに感謝しなければいけないのだと思いました。今日の学習をもう一度じっくりと復習して、真理を必要としている人にきちんと伝えていけるようになりたいと思いました。

人間について正しく理解できました。これは本当に大きなことだと実感しました。潜在意識の中にある霊的意識を少しでも多く発現できるようにしていこうと思います。これからも困難から逃げないようにし、くじけそうなときには真理を杖として頑張って歩んでいこうと思います。真理を手にして知識が増えたとともに、今までにはない悩みや葛藤が生じてきますが、心を清め、実践に励み、よき道具として成長していきたいです。

10月と11月で、神について多くのことを学ぶことができました。神について正しく理解し、記憶していくことが大切だと感じました。この2か月、「シルバーバーチの霊訓」や「スピリチュアリズムの思想Ⅱ」を何度か読んで、スピリチュアリズムへの確信が深くなりました。数十年前、潜在意識という言葉を知って、霊的にはどう考えたらいいのだろうかと長い間、疑問に思っていましたが、スピリチュアリズムで「霊的意識」とされていることを知ったとき、さまざまな疑問が氷解したときのことを懐かしく思い出しました。

地上人生では、あらゆる困難や試練に直面しますが、霊的成長のチャンスととらえることで、困難を前向きに考えることができます。困難と向き合ってそれを克服する努力の中でしっかりと霊的成長をとげていきたいと思いました。先月の神観と今月の人間観で、真理を体系的に学ぶことができ、自分の真理の理解に大きく役立っていると感じています。霊的成長と真理の理解を深め、霊界の道具としてふさわしい存在となれるよう努めていかなければならないと強く思いました。

「人間とは何か?」ということについて、スピリチュアリズムに出会うまでは考えたこともありませんでした。スピリチュアリズムに出会わなければ何も考えずに地上人生を終えてしまったと思います。「人間は生まれる前も、今も、そしてこれからも霊です」という言葉の意味がよくわかりました。地上での真理の実践(利他愛実践)は、なかなか難しいですが、実践できなければ意味がないので頑張りたいと思います。

神が造られた世界は、人間の構造一つとっても複雑です。その中ではっきりしていることは、自分は神の子供としてこの地上に存在しているということです。それを神が望まれたからであり、霊的成長をするために自分は生きているのです。これを知ったとき、心が楽になり、前向きな気持ちで生きていけると思いました。
何のために生きているのかを知ることはとても大きなことです。霊的真理を一人でも多くの人に知ってもらい心を楽にしてもらいたいと思います。これからも真理普及のために働いていきたいです。

人間は肉体をもっているがゆえに、霊肉の葛藤をくり返しながら日々生活しています。しかしそれは、神が人間を信頼しているから与えた、地上ならではの試練であるということを確認できました。そして、親である神の愛をより身近に感じ、心が温かくなってきました。読書会では、シルバーバーチによってもたらされた霊訓を学ぶことで、霊的な意識を取り戻し、意義ある人生を送るための力を得ていることを再確認しました。この地上でスピリチュアリズムに出会えたことは、何より幸せなことだと感じています。


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