2024年 4月 14日 ― 学習内容
スピリチュアリズムの思想体系〔Ⅱ〕 神観・摂理観・霊的世界観 その2
学習のポイント
シルバーバーチが強調する「摂理の神」
今回は、先月、学習した神観・摂理観・霊的世界観の復習をしました。スピリチュアリズムの思想体系は、シルバーバーチによって明らかにされた画期的な霊的真理を整理して体系化したものです。それぞれのテーマごとにまとめられた真理は、どれもが人類を霊的無知から解放する重要なものばかりです。特に「神観」は、人々の生活に欠かせな宗教(信仰)と密接な関係にあります。神をどのような存在としてイメージするかによって、信仰や祈りの内容が変わってくるからです。人々の人生を左右するほど重要な内容であるにも関わらず、現在に至るまで、地上には明確な神観は存在しませんでした。
これまで地上人は、常に人間の立場から神の姿を思い描いてきました。それに対してシルバーバーチは、霊的視点から神の姿を明らかにしました。シルバーバーチの神観は、どの点をとっても画期的で、地球人類がこれまで信じてきた神観を根底から覆すものです。シルバーバーチが示した神観は、大きく5つにまとめることができます。
①創造主としての神
②大霊としての神
③愛の始原としての神(愛なる神)
④摂理(法則)としての神
⑤究極の理想としての神
この中でも特に重要なものが、④摂理(法則)としての神です。これは、地上のあらゆる宗教の神観を根本から打ち消し、これまでの信仰を否定する内容になっています。
下の図は、従来の宗教における神と人間の関係と、シルバーバーチが説く神と人間の関係を示したものです。
(*普及会ホームページ・スピリチュアリズムの思想[Ⅱ] 2,神の摂理(法則)について より)
これまで地上人は、神に祈れば、神が奇跡を起こし自分たちを助けてくれる、導いてくれると考えていました。人々は、神と直接、関係を持つことができると思い、神にすがり、必死に祈ってきたのです。祈りが聞き届けられないときには、“信仰が足りない”ということになり、いっそう熱心に神に祈りを捧げてきました。
シルバーバーチは、そうした従来の宗教の考え方を根底から覆しました。シルバーバーチが明らかにした神の姿が「摂理の神」です。神は、人間をはじめとする万物を「摂理」を通して創造し、支配し、維持しようとしました。神と人間は、摂理を介した間接的な関係であり、神自身が直接、人間に関与することはありません。人間がどれほど熱心に祈っても、神がそれを聞き入れることはないのです。人間が奇跡を期待したり、自分だけ特別に恩情をかけてもらいたいと願っても、摂理を飛び越えて願いが叶うことはありません。これまで地上人類は、霊的無知のために、的外れな信仰と祈りを延々と続けてきたということです。神への信仰に人生を捧げてきた信仰者たちの努力も、すべて無駄だったのです。
「摂理による神の間接支配」というシステムを人間サイドから見ると、神は常に“冷たい法則”として現れることになります。しかし、一見、冷たく映る摂理も、実はすべて、人間が幸せになるようにと願って、神が設けたものです。人間は、神がつくった摂理にそって霊的成長をなしていくことで、真の幸せを手にすることができるようになっているのです。
シルバーバーチが、「摂理の神」を強調するのは、これまでの宗教の間違いを正し、地上に「真実の神への信仰」を確立したい、という願いがあるからです。それは「間違った宗教を一掃し、地上に本物の宗教を確立する」というイエスの計画そのものです。地上に再臨したイエスは今、全エネルギーを注いで大宗教革命を推し進めています。地上に真の信仰を根付かせるために、私たちも真理普及にまい進していきましょう。